便秘の原因と対処法について
はじめに
便は健康のバロメーターといわれています.すっと便が出ると一日気分良く過ごせるのに便秘の日はなんとなくイライラしがちという経験もされていると思います.便は食べた物から必要な栄養素が吸収された後の残りかすです.残りかすがからだのなかに停滞したら体調に悪影響がおよぶとしても当然と言えます.便秘に悩むかたにどのように対処するとよいのかをお話したいと思います.
便秘とは?
便秘とは「3日以上排便がない状態で排便があっても残便感がある状態」と定義されます.しかしもともと毎日排便がある方ですと1日便がでないだけでもすっきりしないですし本人のすっきり感と客観的な排便量や排便回数から総合的に判断する必要があります.便秘は原因がはっきりしている場合とはっきりしていないものに分かれます.
便秘の原因と調べる検査
ストレスや生活習慣や加齢などの影響をうけて便秘がおこる場合があります.一方便秘には病気が潜んでいる場合がありますので検査をうけることも大切です.すぐに受診をしたほうが良いのは強い腹痛や吐き気がある場合や熱がある場合があげられます.腸閉塞や腹膜炎の場合緊急で検査を受ける必要があります.また出血が続いている場合には,腸に腫瘍や潰瘍ができて貧血がおきていることも考えれますので痔と決めてかからないで受診するほうがよいでしょう.腸をしらべる検査には便潜血反応検査,腹部単純レントゲン検査や大腸カメラ検査などがあります.かりべ内科クリニックでは鎮静剤を用いた苦しくない大腸カメラ検査を行っております.検査の結果病気がみつかると病気のために便秘が生じている器質性便秘に分類されます.また全身の病気(糖尿病やパーキンソン病など)によって腸のはたらきや自律神経のはたらきが低下して便秘が生じた場合には症候性便秘に分類されます.またお薬の副作用で腸の動きが悪くなって便秘がおきている場合には薬剤性便秘に分類されます.原因がはっきりしない場合には機能性便秘や便秘型過敏性腸症候群に分類されます.
便秘を予防するには
便秘(機能性便秘や便秘型過敏性腸症候群)には生活習慣や食事・運動が関係しているといわれています.便意を我慢することはよくありません.トイレに行くのを後回しにしてしまうと便意が消えて腸の動きもストップしてしまいます.ストレスが多く不規則な生活は自律神経の働きが弱まって便秘につながります.運動不足になると腸を循環する血流が弱くなったり便を押し出す腹筋が弱くなってしまいます.食物繊維や水分の摂取が少ないと悪玉菌が増殖しやすくなり便が臭くなったり硬くなってしまいます.下剤(刺激性下剤)を日々常用していると腸の神経が鈍感になって効果が感じられなくなってしまいます.市販の刺激性下剤を長期間常用することは避けたほうがよいでしょう.便秘のお薬は新しいお薬もでていますのでかりべ内科クリニックまでご相談ください.
まとめ
便秘には原因がはっきりしている場合と原因がはっきりしない場合があります.原因をしらべる検査を一度はきちんとうけることが病気の早期発見につながりますので大切です.とくに大腸内視鏡検査でポリープや悪性腫瘍がみつかる場合もあります.全身の病気から便秘が生じている場合には生活習慣の他にのんでいるお薬が便秘の原因となることもありますので主治医にご相談されるとよいでしょう.便秘の治療薬については自己判断で刺激性下剤を常用することはリスクを伴いますので消化器病専門医に相談して個々にあったお薬を選択することをおすすめいたします.