糖尿病の治療
糖尿病治療目標について
糖尿病治療の目標は大きく3つあげることができます
血糖,血圧,脂質を良好にコントロールし適正体重を維持したり禁煙を遵守することによって糖尿病の主要な合併症である細小血管障害や動脈硬化性疾患の発症や進展を予防することです そのことは健康なかたとかわらず糖尿病患者さまにおいても日常生活の質(QOL)が担保され健康寿命をのばすことにつながります
社会の高齢化がすすむなかで身体の衰え(サルコペニア)や要介護状態へと進展する虚弱(フレイル)は糖尿病患者さまにとっても大きな問題となっています また認知症や悪性腫瘍の増加も加齢とともに認められるようになります これらの併存症(サルコペニア フレイル 認知症 悪性腫瘍など)を早期に発見し治療したり進展を抑えていくことは生活の質を確保するうえで重要であると考えられています
糖尿病患者さまに対するスティグマも問題となっています スティグマとは社会的な差別や偏見を意味します 社会の糖尿病に対する誤った考えを取り除くこと(アドボカシー活動)や糖尿病患者さまの治療にあたるうえで負の烙印を押さないで人権を尊重することはわれわれ医療者にとっても反省するべき問題であり大きな課題といえます
検査数値の治療目標について
数値目標は血糖値はHbA1cを用いることが多く概ね7%以下を目標とします
血圧や脂質,体重などについても数値目標を定めて治療方針をたてていきます 糖尿病のタイプ,年齢,罹病期間,合併症の有無,低血糖の危険性,サポート体制などを考慮して患者さまお一人おひとりにあわせて個別(オーダーメイド)に治療方針を決定していくことが重要です 治療には食事療法や運動療法,薬物療法などがあります